ユーディットとノコギリ妻

男の首を女が切り落とす。

この逆さまをひとびとは愛し、画家が絵にしてきた。

「汝殺すなかれ」のキリスト教会は、この図を正当化するため、首を切られた男は異教徒的であり、女は神のミワザのエージェントである、としユーディットに人格を持たせないかたちで成立させた。

 荒武者が女の手にかかってその首根っこを刃で切り落とされ、白目をむいている。

 

ノコギリ妻事件では、専業主婦が、暴力夫を殺害し、ノコギリでバラバラにし、生ゴミ用の袋に入れて、あちこちに捨てた。

食べ物袋に切り落とした生首を入れて持ち帰ったユーディットのようではないか?

 

女ばかりのランチで事件の話しになったとき、

まずみんなが言ったのは

「きれいねぇ」

逮捕され、警察の車の後部座席にうつむく加害者の美貌をみんなで褒める格好になった。

 

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