ザックが餌を食べなくなって、すでに二週間。
またへんなものを飲み込んだのだろう、とやっと気づいたときにはすでにかれの内部に深く入り込んでいたのだう。
ずいぶん時間がかかってるなあ、と隣のケージで自分用の小さなボールからさっさと食べ終わり、外へ出たくてうずうずしているチビ助を待たせて、寒い玄関でのろのろ喰いを待つ間がもどかしい。
そのとき、とうに異物はかれの臓腑に飲み込まれて、にっちもさっちもいかない状況だったのだ。
半分に減らしても、あれ、たべないや、
と思っているうちに泥水のような下痢と、吐き戻しが始まり、いつもの拾い喰いとは異なる尋常でない様子に朝一番、獣医に連れて行く。
超音波で、別になにがわかるわけでもない。
ただ、すぐにどうこうなるような状態ではない、と内部のガスの状態から判断し、水分の点滴だけ受け、吐き気どめや下痢止めなどは拒否して、連れて帰ってきた。
不思議と下痢はそれでおさまり、翌日はもう硬いうんちが出た。
ところが、餌を食べない。
朝から、近所迷惑な甘え吠えで朝ごはんを要求するザックが、うんともすんとも言わず、餌の入ったボールに鼻をつけようともしない。
手からわずかにあげたものも、吐く。
一昨日から、細かく裂いた鳥のササミを少しづつ食べているが、もともと細いからだが、うんと細くなって骸骨のようである。
これまで犬や猫を飼ってきて、餌を食べなくなる時は死ぬときである。
心配である。
心配で、こちらもどうにかなりそうだ。