一日じゅう、ふせっていて、捨てるつもりでいた本、夫がだれかからもらってきた「花火」又吉くん、「女生徒」太宰治、古い週刊新潮など枕元に置いて読んでいたら、太宰治の強烈なパンチをくらって「斜陽」が読みたくなった。
アマゾンで注文して、読みはじめると、へぇ、こんなはなしだっけ?
と「女生徒」もそうだがおんなの一人称。
「おんな」の部分がリアルなような、リアルでない太宰本人のような、
小説本体以上に、年表のインパクトがすごい。
十代で自殺未遂、心中事件で自分だけ生き残って起訴されそうになる。
多くの女性関係、結婚、最終的に心中。
斜陽日記は、そもそも斜陽を書くにあたっての参考資料として、こちらも太宰に惚れ込んだ女性から差し出されたもので、こちらはほんものの日記である。
ストーリーも、ほぼ一緒。
私のなかでは、強烈な魅力ある人物として残っている主人公の弟直治は創作上の人物で、これは名前を見てわかるように太宰自信のように読める。
日記は、主人公と主人公の母の物語のようである。
母親が死の床で、娘を指差し、叔父に手を合わせるシーン。
「わたしが死んだ後、どうか娘をお願いします。」
という意味のジェスチャーは、創作のほうも日記のほうも表現もなにもかも同じであるが、創作では泣かなかったが、斜陽日記では泣けてきた。