土壇場で気がかわる

今年度いっぱいにしたい、という旨の手紙を請求書の封筒に入れて、現場に持っていく。

サポートしてくれた先生にも手書きの手紙を書いて。

 

いつもより早く湘南の駅に着き、いつも時間調整する公営のトイレで口紅が濃いのをティッシュで拭き取り、現場に向かう。

顔色があまりよくない、ビンクの口紅が浮いてみえる。

クラスが終わって、請求書を渡す時に話そう、と事務室の園長に挨拶する。

そのとき、ふしぎなことに、園長じきじき赤ちゃんを抱いている。

どこの現場も人手不足なのだ。

園長職のひとが赤ちゃんを腕に抱いている姿を見て、こころ和む。

 

前回ボロボロで、もういいかも、と夏以降の体力低下で、あいかわらずなにかあるとどーんと落ちる体調が不安でもある。

年齢のせいにするのは、ぎりぎりまで待とうと思っていたが、やはり64歳という年のせいか?

祖母が、年を重ね、いろいろなことをやめていき、そのたびにやめたらダメ!

と怒っていた自分が、ここで仕事を辞めようとしている。

前夜、ひさしぶりにかかってきた姪からの電話で、きょう日野の現場でさ、

分倍河原(姪が同棲相手と新しいアパートを探していた時、分倍河原なんかどうかな、おばちゃん、と問われ、やめなよー、あんなところーと、分倍河原に失礼な発言をした、その分倍河原・・)から高幡不動高幡不動から甲州街道という長旅たいへんだよ、2時間半の仕事もさぁ。

「えーとおいいねぇ」

と何にせよ、こちらが望む答えをしようとする姪。

「もう湘南のほうは断ろうかと思って」

と言うと、

「うん、むりしないほうがいいよ」

 

ああ、この子にはわからんだろうな、64歳のひとが仕事を辞退する気持ちが。

と、やや空虚。

 

ムーブメントの授業はクリスマスの特別篇。

ネットで探してきて、娘にどお、これ?

と見せると。

えー、やーつまんないよ、こんなの・

 

ところが、現場では大ウケした。

わからないものである。

今年大ウケしたものが来年もそうか、といえばそうでないこともあり、

なんでも、初めての活動はけっこうウケる。

2回目は、そうはいかないのだ。

なぜか。

 

前回ボロボロだった湘南。

子どもたちや先生がたのテンションや気候もあるし、

私自信のテンションもある。

なによりも、前々回が特上の盛り上がりで、三歳さんから五歳さんまでがみっちりできたのだ。

よいときの次はよくない、これは法則。

これはわたしたちだってぜったいそうですから、

とのたまったのは自身がオペラ歌手の声楽の先生。

 

出がけにサイフを忘れた、ということもある。

忘れ物をするとテンションが下がる。

パスモがあるので、現金が必要なことはあまりないが、忘れものをすることのふがいなさ。

 

「トナカイ」湘南でもウケた!

歌に合わせて鈴を鳴らしながら走るという単純な活動なのに、高揚で赤くなった子どもたちひとりひとりの笑顔。

次に、3月に卒園する子どもの特別なリズム。

年中児さんから、ぼくもやりたい!

来年ね、年長さんになったらね、と先生に言われている。

 

そのへんから、どーしよう、やっぱりつづけようかなー、と気持ちがぐらぐらし始める。

 

封筒からすっと手紙を抜き、先生への手紙がノートから落ちていないことを確かめる。

ときどき楽譜やノートからいろいろなものが落ちて子どもに拾われる。

 

帰りの電車のなかで、姪にやめるのやめました、とライン。

うん、いまはやめるタイミングじゃないってことじゃない、とすぐに返信がきた。

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モールの向こうに富士山がみえる。