ジャパニーズ・フードコートの奥に、おみくじ屋の占いがあり、
「ラブ、ヘルシー、サクセス」と書いてある。
いとこにはそのいずれも、なかったのかもしれない。
愛も、健康も、成功も。
だから死んだのだ。
そんなふうに感じる自分は、どこかおかしい、きっと。
末っ子のいとこを呼び出して、1年8ヶ月の闘病の次第を聞いた。
彼女から聞こえてきたのは、おだやかに、夫、母親、いもうとたちに見守られて眠るように息を引き取った姉の最期。
そう、和解があったのだろう。
私と父のあいだにはなかったが。
日本一の緩和ケア病棟に2ヶ月、そこが家族の憩いの場となっていたそうだ。
彼女が前の結婚で残したひとり息子が、いまどんな気持ちで母親の死と向き合っているか、とか、
これからたったひとりで息子はどうしていくのか、とか、
そのことはだれも語らないが。
たとえ気にしていたとしてもなにができるのか?
あかるく、前向きで元気な末っ子のどこにも、偽りはなく、
こころの丈夫さと、身体の健康さがある、ように見える。
だから、私のバイヤスがゆがんでいる、とことんゆがんでいる、ということなのだろう。