臨港バス神名営業所は、京浜第一国道のわきを入ったところにあり、
愛想のよい女性の電話対応にほっとしたときに胸に描いた「営業所」とは大きくかけ離れている。
そこは広いバスの操車場で、運転手さんたちがバスを洗ったり、タバコをふかして休憩したりしている。
操車場奥の営業所は老朽化しているとはいえ建物は自動扉である。
あらかじめ聞いておいた落し物番号を言うと、対応してくれた男性職員が認印が必要だという。
電話で教えてくれればよいのに、とも思うが、なにしろいったんは諦めたサングラスが戻ってきたのだ、うるさいことは言わずにおこう。
三ツ池公園からの帰りのバスが臨港バスだったか、市営バスだったかわからない。
二転三転して乗り込んだバスである。
ただ、降りたのが川崎駅西口だ、ということははっきりしていた。
夫が、それは臨港バスしかない、という。
乗ったのは、寺尾中学だろう、乗車時刻は、14時8分か14時23分にちがいない、というところまで調べてくれた。
私のほうは、バスに乗ってむしあつく、メガネをむしりとった記憶がはっきりしてきて、バスのなかで落とした、と確信した。
落し物は、各営業所に連絡するようにホームページには書いてある。
実は、当日鶴見営業所に電話したが、川崎で降りるバスはない、市営バスではないか、と、いまから思えば完全に間違ったことを言われて、市営バスだったらあきらめだ、と感じた。
助かった。
失くしたと思ったものが出てくるしあわせ。