運動会

保育園の運動会で楽しみなのは、卒園生と会えることだ。

何人か気になる子がいる。

前の日から、なになにちゃんくるかなあ、あいたいなぁ、と思っている。

昨年受け持った子で、アトピーがあり他の子と一緒にいる光景がなかなか見られなかった子、

ゼロ歳から一緒に身体を動かしてきた子、など。

どの子もマイペースで、個性的。

 

あ!いたいた!

近づいていくと、遊びに熱中している。

やっぱりAちゃんだ、こちらをちらっと見るが、反応なし。

一緒に遊び興じているのは、どの子も卒園生。

懐かしい園庭で、おいかけっこに夢中なのだ。

なんとだれも私に気づいてくれない!

 

Aちゃん、となおも近づいていくと、私を見上げてああ、なんとなく覚えてる、と言う。

どう学校は、と聞くとうんおもしろい、だけど保育園のほうがもっとおもしろい、と言う。

そっか、としばらく佇んでいるが、だれも相手にしてくれないので、すごすご退散。

 

がっかり、なんだが、でもよかった!とも思う。

卒園して小学生になり、成長して、忘れていく。

通過していく。