パリ・テキサス

朝のニュースで、カリフォルニア州デス・バリーで気温54'4度を記録した、と熱気ゆらめく砂地の上をひとびとが歩く映像が流れたら、急に「バリ・テキサス」を思い出した。

U- NEXTで配信しているので、さっそく観ることに。

当時ロード・ムービーなる言葉の意味も知らず、友人に誘われるままに4人くらいで劇場に行ったのではなかったか。

なんとものろのろした、音楽もぼわーんとはっきりしない映画で、座席に座っているのが苦痛だったが、ただただナスターシャ・キンスキー見たさに耐えたのだった。

当時の自分は、集中してものごとをとらえるということが今以上にできなかった。

映画をなんとか観終わったあとも、まだヨーロッパのパリのことだと思っていて、

「パリ出てこなかったね」と言うと横で寝ていたらしい夫がパリのパリじゃないんじゃなかった?

と言った。

今回初めて意味がわかった。

しかし、ストーリーは、今観てもどちらかといえばあまりよい感じがしない。

だいたいなぜ、なんのためにこの夫は息子を養家から連れ出して、安定した生活から引き離したのか。

そこまでして実の母と引き合わせて、自分はむりとかなんとか言ってまた逃げていく。

だめでしょう。

そして、不思議なことにあの神秘に満ちたナスターシャ・キンスキーは、今観るとそれほどきれいに感じないのはなぜだろう? 

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