メール

昨日の朝、COUCOUからのラインを受け、お寿司を買って、COUCOUの滞在する部屋に出かけて行く。

昨年7月に出産した娘と日本に帰ってきている。

エアフラの仕事をしたので、航空券が手に入り、ついでに旅行中の友だちがいるので部屋が使える、とのことである。

このこは、いつもぎりぎりに連絡してくるので、とうとう旅行当日の昼しか選択肢がなかった。

 

広尾には、生後8ヶ月で亡くなった長男がしばらく入院していた乳幼児集中治療室がある。

入院中、授乳時間と授乳時間のあいだの数時間、私は歌のレッスンをすることにした、その音楽教室の看板がまだある。

健常の子を産んだCOUCOUに、そんなことはいわないけど。

悲しい思い出に胸を詰まらせる夫や娘にもいわないけど。

 

午前中だけで会社を退けてきた夫を待ってお寿司をたべ、桜餅をたべ、人見知りの始まったばかりのCOUCOUの子どもは、ついに私に抱かされなかったが、あたたかな昼下がりみんなで外に出たところ、メールに着信があり、ひらくと。

姉の死を知らせるいとこからのメール。

 

アイフォンを床に落として、ぺたんと座り込んでしまう。

手を取って起こそうとする夫の目。

娘のやや遠慮がちな肩を抱こうとする手。

 

昨日葬儀すべてを終わらせました、とある。

本人の希望で家族だけ、と。

 

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ホノルルへ

満席の機内、ほぼ日本人。

小さな子ども連れ、新生児のような赤ちゃん連れの若い夫婦や家族総出のハワイ旅行。

飛行時間は6時間50分。

後ろの座席から、男女の話し声が切れ目なくつづく。

女性の話し方が、さりげなくて穏やか、すらすらと相手の話しに合わせている。

どういう関係なの?

・・と背後の会話に聞き耳を立てている。

 

町田とか、武蔵なんとかとか、京王線苦手なんすよ〜

あ、それわかる。

 

週一で、メーカーとのミーティングがあるんで、新宿行っているんですけど、朝の新宿ってすごいじゃないですか、それだけで疲労感ハンパないっていうか。

だよね、あれすごいよね。

 

などなど。

朝の新宿駅のすごさは知っている。

なんだろう、あのものすごい量のニンゲンたちが、縦横無尽に行き交う。

「空気を読み、スピードを合わせる」ことでしか通過できない。

腰の状態がよくないときは、よくひとにぶつけられた、というか避けることができなかったのだ。

 

飲み物サービスでアルコールが運ばれると、男性の口調がややあまったるくなり、女性のほうはやや早口になる。

 

わたし結婚しているのよ。

「・・」

もう7年

「・・そうなんだ・・」

という会話もあり、このふたりの関係がますます気になる。

 

久しぶりの海外旅行で、しかも土壇場まで決まりきれずにいた。

航空券はすぐに売り切れになるから、航空券だけでも押さえたおいたほうがいい、と旅行代理店からのアドバイスをもらい、ネットで予約した。

クレジットで払い込むところで番号を確認したすきに、羽田便がだれかに取られてしまい、成田便もぎりぎり。

そんな慌てた予約で、つい「通路側」を忘れていた。

エコノミー・クラスの三列席、窓際にわたし、まんなかに夫、通路側の女子は、私がトイレに行きたくて立ち上がり、すみません、と頭を下げると顔を歪める。

イヤフォンとアイフォンの二本のコードを、おもいっきりのろのろ外し、なかなかどいてくれないのである。

昔、娘が小学生のころエコノミーの同じ席順で海外旅行へ行き、娘がトイレに立つと、通路側のフランス人女性は立ち上がり、露骨にいやな顔をしてみせたが、この女子は、席は立たず、膝をななめにして通すこともしてくれない。

「子どもかと思ったら、飲み物サービスでワインとビールを頼んでた」

と夫も隣の女子に興味をもってながめていたようだ。

フライト中、彼女はただの一度もトイレに立たなかった。

 

ホノルルに着くと、1日もどって昨日の朝9時だ。

昨日の朝9時、私は娘を起こそうか、と迷い、

会いに行く予定になっているCOUCOUからのラインの返事を待ってからにしよう、とアイフォンの画面をながめ、前夜遅くまで仕事だった娘をまだ起こさないことにした。

 

あのときに戻れたら、

まだいとこの死を知らず。

 

前日の指導考察を終え、娘を起こしてCOUCOUに会いに行く、そして夜行便でハワイ!

と、もうひとふんばりの感じだったのだ。

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ひな祭りイベント

保育園の春のイベントに行ってきた。

去年から、このイベントには着物ででかけている。

子どもたちが、きらびやかな着物で舞台の上に設えた段でおひなさまになるので、

あやかって私も和装で行く。

もう歳をとっているので、

「なにあのひと!目立ちたがりや〜」

とか

「なんで着物なんか着てくるワケ?」

などと言われない、と思う。

白髪まんまの婆さんで、もう64歳だ、好きにさせて。

 

今年はネットのリサイクルで購入した¥18000の草木染めに、それよりは少し高価なリサイクル帯を締めていくと、去年は反応のなかった方たちから

「せんせいステキ」などと言ってもらえる。

春だから、色のうすいもののほうが、きれいにみえる。

去年は、結城紬で行った。

 

子どもたちの演目はなかなか見ごたえがあって、もう少しあっさりでもいいような気もするが、子どもひとりひとりのおめかしした姿、いつものホールでとはちがう表情や表現に拍手、拍手!

 

そして楽しみなのは、もう卒園しているのだが、弟や妹が在園しているので、親と一緒に見にきている子どもたちと会うこと。

小学校も高学年となるとめったに来ないが、去年卒園した子やおととし卒園した子が来ていて、あまり大きくなってない子や、りっぱになってよく考えて見ないとだれだか思い出せない子など。

会場をジロジロ、ジロジロながめまわしている。

女の子たちは、あーと言ってタッチしにくるが、男子は無視。

さんざん無視していたのに、最後にニカニカわらって近づいてきたR平くん。

タッチしにきてくれた。

一昨年卒園してひょろひょろ伸びたタツは、二歳児のときからカレンダーが読めた。

次のリズムは、つぎのつぎの週です、と言うと○月◯日と言うので驚いた。

ただし、みんなと一緒になにかをする、というのは苦手でぽつんとしていた。

背が高くなって、上等なカメラを持ってうろうろしている。

へぇーっこんなに成長したのかー

「すげえ!」と思って見ている。

近くでしゃがんでいるタツの髪の毛をくしゃくしゃとしたら、すっとまっすぐに私を見て、しばらくぽかんとしてから、生え変わった大きな歯を見せてわらい、あーっ、まりせんせい!と言ってくれた。

弟が、今年卒園する。

だれも在園しなければ、だれも来なくなる。

通過していく。

成長して、そして忘れる。

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地デジ

地デジで見るのは「YOUはなにしにニッポンへ」「探偵!ナイトスクープ」「家、ついて行ってイイですか?」と決まっている。

実は、爆笑問題の「ザ・フライデー」もこっそり。

ザ・フライデー」も捨てたもんじゃない、三島由紀夫の特集などあり、知らなかった三島未亡人のドキュメント映像が見れたし。

どれも録画しておいて、CMは飛ばす。

 

最後に見た「家、ついて行ってイイですか?」のなかの母と子が胸にのこってしまい、いまだちょっと息苦しい。

突然の父親の死、自死であるが、実は他殺であってもおかしくない、という秘密情報に関係のある官僚であった。

子どもたちは、海外の学校を転々とし、母はエリート官僚の妻として生きてきた生活が、夫の死によって一変する。

 

母親の口調は、私の周りには存在しない上流のかたたちの話す日本語。

「さ」行が響く。

子どもの話す日本語はへん。

外交官を外交員というのも。

パリで生まれパリで育った知り合いの息子・もうおじさんだけど・Keiの日本語を思い出す。

こちらの会話にことばを返事すとき、頭の中で大至急変換するため、きょとんとした目の一瞬の間があり、直後にいきなりの日本語が弾丸のように飛んでくる。

名刺が間違っていたり、助詞がへんてこだったり、でも速いのだ。

ことばというのは、むずかしいものだ。

たとえば、Keiは初対面のひとに、「よろしくお願いします」というものと信じているのだが、そこは「よろしくお願いします」はへんでしょ、とか。

完全に日本人の顔をしてへんな日本語を話すひとの苦悩。

 

上流の奥さんの、突然夫を自死で失ったひとの苦悩。

まだ、なにもわからない、ただ毎日生きているのに必死、というのが正直に響く。

娘が、ずっと母親の手を握っているのも泣ける。

娘がじつは、LGBTだ、と、ほんとうのわたしを知らないでお父さんが死んだのは無念だ、と。

 

表面的に見ているだけではわからない、ひとびとの内実が、この番組を観るとつくづくみんないろいろだなあ、とみんなたいへんだなあ、の二点に帰結するのである。

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お別れ

今日から三連休だから、せんせいたちもゆっくり休んでいるだろう。

毎日忙しい保育の現場で、子どもたち相手に年間スケジュールをこなさなくてはならず、その間にも毎日クッキングだの、お誕生会だの、体操教室だの、リズム教室だの入ってくる。

 

この園に雇ってもらえるようになったとき、私はほぼ素人で(実は・)、実際にやってみてください、とテストのようなことをさせられたとき、力づくでやったムーブメントは、こちらにものすごいような緊張があったので、うまく子どもたちが乗ってくれた。

サポートに入ってくれたせんせいが、たまたまやさしいひとで、意地悪なひとだったら「なにこのひと、経験あるの?」と思ったに違いないが、せんせいがやさしいと、子どもたちは寛容になる。

あとから「助かったぁ」とよく思った。

時間がきて、これで終わりですと言うと、

「やだあー」

「もっとやりたいー」

「ひとばんじゅうやりたいー」

などと言う子どもたちの声が私を励ました。

 

ところが、実際に雇われてからは、いろんな場面でボロが出て、そもそもムーブメントの導入をめんどうくさい、と思っていたせんせいたちから反省会で吊るし上げのようなことを言われ、どん底に落ちこともある。

父が、昏睡状態で入院していたときで、あのときは昏睡状態の父の手をしばらく握り、傍に座って気持ちを落ち着けたこともあった。

 

始めた年の夏は、秋からはやめよう、と思った。

紹介してくれたひとにきちんと説明すればやめたっていい、と夫に言われて、逆にもうすこし頑張る気になった。

秋からは、失敗が減ってきて、子どもたちをまとめて楽しむ方向に持っていくことが少しできるようになった。

こちらに力がつくと、せんせいたちの対応も変わってきて、いまや園に入る前に胸がどきどきすることも、大きく深呼吸して作り声を出すことも、気がつくとしなくなったている。

 

園を後にすると、いつもまだせんせいたちは働いているんだろうなあ、とか私が疲労困憊して昼寝するために枕に顔をつけると、ああ、まだせんせいは子どもたちと一緒なんだなぁ、と思う。

薄給で(おそらく)、長時間労働で、責任のある保育の仕事をしているせんせいたちに申し訳ないような気持ちになる。

 

だから金曜日に最後の授業をして、お花をもらってお別れして、今日から三連休でせんせいたちが、ゆっくり休んでいると思うとほっとする。

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たかだか15分程度なのだが、満員電車に乗ってぎゅうぎゅう詰めにされる。

月に二、三回、朝の通勤ラッシュ時。

乗り込んで、すぐに発車することもあるが、満員のまま待たされることがある。

車内はへんに静かで、アイフォンに余念のないひとびと。

マスクをしたひとも多い。

黙って立っているだけなのに感じのわるいひとも。

へんな鼻息のひと。

前日のアルコールとニンニクのにおいをむっとさせるひと。

 

と、すみません、とむりやり最後に乗り込んでくる。

気になって、ふと、見ると、背の高い老婦人。

首に白いマフラーをきっちり折り曲げてコートのなかに入れている。

ん? 

知ってるひとのようではないが、知っているような気がする。

ちらっと見る顔も、たたずまいもまったく知らないひとなのに。

記憶のなかのセンサーが回転する。

ん?

そのひとは、十年ほどまえ、私が地域で持つ「呼吸と体操の会」に五、六年熱心に通ってきていたひとではないか?

そう思っても、あまりその方と似ているようではない。

そのひとは、私の会に一時期たいへん入れ込んで「呼吸と体操」を始めてそれまで十二年通ったマッサージとようやく縁が切れた、

と感動をこめて語り、開催者であるわたしをやや持ち上げた。

すすみが速く、身体が伸び、やわらかくバランスが整っていった。

五、六年というそれなりの年月、たちふるまい、仕草を見るともなく見ていたわけだ。

きっちり巻いた首のマフラーから、布をたたむ時の几帳面な手つきを思い出す。

 

ものごとというのは、すいすいとはいかない。

このままいけばいいなあ、と思っていると、まさかのことが起こる。

彼女は、いいところまでいったところで、階段から落ちた、と。

手術しなくてはならないので来られなくなった。

これまでも、小さな事故はあったが、入院手術というのは初めて。

 

それでも、手術と手術のあいだ、太ももに金属を入れた状態で、やってきてポージングは素晴らしかったが、階段の上り下りができなかった。

会が終わって、てきぱきと帰りの用意をしながら、もう一度金属を取り除く手術をしなくてはならない、と愚痴り、夫が暴力を振るうひとだ、と驚愕の事実を打ち明けて泣いた。

そして、二度と来なくなった。

 

一度、地域図書館と屋内プールのある施設で、そのひとが入り口のベンチに座っているのを見かけたが、私が振り向くと同時にうつむいた。

帰りがけにもう一度見るといなくなっていた。

ああ、会いたくないのだな、と残念な気持ちだった。

こういう会は、離れてしまえば、まったくの他人になる。

こちらも何がしかの報酬をいただいているわけだから、それでいいわけなのだが、なつかしく挨拶くらいするくらいの関係性持てなかったのは、私のほうにも問題があるかも、と思ったりする。

去年も、15年間通いつづけた方が、呼吸法の途中で具合がわるくなり、来なくなった。

最近はご機嫌もわるかったし、なんかかんか否定的な発言も多く、体調が芳しくないのにむりに出てきていたのだろう、と後でわかった。

 

電車で会ったひとが、ほんとうに彼女なのか、なにが、彼女と会に来ていたひとの記憶を結びつけているのか、といえば声だ。

すいません、と車内に入って来たときの声。

距離のある、よそよそしい、ひとをはじくような「すいません」。

やっぱりそのひとだ、と確信する。

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電気屋さん

大雪の降ったころから、ブレーカーが落ちる。

ブレーカーが落ちる時の、ばんという音と共にまっくらになる衝撃。

おかしいな、と夫に言っても、はじめのうちは気にとめない。

何回めかに文句っぽく、何度も言ってるじゃん、と強く言うと、やっと腰をあげてブレーカーのフタを開けてじーっと見つめている。

ブレーカーを見つめていても、問題の解決にならないだろうに。

日に二度も、ブレーカーが落ちた翌日、東京電力に電話してみるわ、とやっと言ってくれた。

土曜日とかに来てもらって、という言葉はどうやら聞いていなかったらしい。

出かけた先に、ラインが届き

東京電力きます。くる前に電話するって」

「は・土曜日って言ったじゃん」と返すとそこで途切れた。

なにも送ってこないから気を悪くしたか、と思ったが、そんな女ともだちみたいなことは、たいていない。

「3時半には帰ってます。」

とやや下手に出るが、返信なし。

 

家に帰ると、ポストに2時半に来ましたが、不在でしたので帰ります。

以下の電話番号に電話して在宅時間をおしらせください。

とメモ。

留守電のランプも点滅していて「二件の不在着信があります」と。

二件とも東京電力

トーデンである。

 

さっそくメモにある電話番号にかけると、いつものアレ。

ただいま電話が混み合っています。

おつなぎしますので、少々お待ちください。

「のちほどおかけなおしください」じゃないのは助かるが。

延々と機械音が繰り返されるがいっこうに繋がらない。

子機に切り替えて、子機をピアノの脇において、シューベルトをさらっている。

と、犬が鳴く。

「?」とピアノを中断するが、ピンポンの音はしない。

そうこうするうちにトーデンと電話がつながり、経過を話す。

理知的なしゃべり口の男性が、現場と連絡を取り合ってもう一度この電話にかけるので切って待っていてください。

夫からようやく3時半にくるって、とライン。

この時点で経過を説明するのは複雑だから、トーデンからの電話を待つ。

やっとトーデンから電話がかかってきて、これから来るという。

すぐにピンポンが鳴り、目のぎょろっとした髪の毛のはげていないひとが脚立と、コードと金属のカバンを持ってやってきた。

ブレーカーはどこですか?

どういう状況で落ちたんですか?

 

初めて聞く話だが、同じ電力でも、外気温が低いと、それだけ消費量が増えるのだそうだ。

ヘェ〜と聞いている。

朝、床暖と電気ポットでブレーカーが落ちる、そんなことはこれまでになかったのに。

二年前までは暖冬だったけど、最近は寒いからあちこちで電気のトラブルがあるのだそうだ。

 

「調査費がかかりますが、いいですか?」

「えええぇっ、聞いてない、いくらくらい?」と大きな声を出す。

「九千円です。」

「えええぇっ、九千円?!」とさらに大きな声。

夫に電話をするが、こういうとき電話がつながらないのがおやくそく。

でも、しょうがないかな、と思っているうちに、雑談に発展。

 

「寒いときに暖かい生活、暑いときに涼しい生活はお金がかかりますよ」

「そうですよねぇ」

「だから暖房費をなるべく消費しないための対策を考えたほうがいいですよ。この部屋をあたためるのはたいへんだ」

と、木造家屋の、デザインを重視したため、いろいろとっぱらってワンルームにしたわが家を見回す。

なんとなく、ブレーカーを見てくれて、ちょっと床暖切ってください、ちょっと入れてください、と、調べてくれる。

「床暖ですよ、床暖、床暖いれたら他の電気はむり」

使用電力を上げるより、自分の調整したほうがいいですよ、基本料金が上がって一年払い続けなきゃならない、とサジェスチョン。

 

で、結局九千円は請求しないまま、自前の脚立を忘れそうになった電気屋さん。

アレ忘れてますよ、と言うと。

「ああ」とゆっくり振り返って、ほんわかしていらっしゃる。

車どこにとめましたか、と言うと。

山本さんの空き地、と言う。

あら、山本さん知ってるんですか、

「いやご主人が、山本さんの空き地に車止められるって。ピンポンしたけど、ご不在のようで」

「いやいいのいいの、あそこはべつに山本さんの土地ってわけじゃないので」

と、どうでもいい情報には返事しない。

 

帰って来た夫に話すと、ずいぶんエコな電気屋じゃねえかよ、と喜んでいる。あんた山本さんのことまで喋ったんだ、と言うと

だって、車止められますか、って聞かれたからよ。

あそこは山本さんの土地じゃないって言っといた

情報が混乱するのはまずいんじゃね

 

天気がわるく、会う人会う人ご機嫌がよくない一日に、恩恵の電気屋さんだった。

どうもありがとうございました!

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もう二月なんですけど・