2015-01-01から1年間の記事一覧
男の首を女が切り落とす。 この逆さまをひとびとは愛し、画家が絵にしてきた。 「汝殺すなかれ」のキリスト教会は、この図を正当化するため、首を切られた男は異教徒的であり、女は神のミワザのエージェントである、としユーディットに人格を持たせないかた…
若桑みどり先生の「イメージの歴史」を放送大学のテレビで観て面白そうだったので履修することにした。 だらだらテレビを観て、印刷教材のほうはろくすっぽ読まずに試験会場へ行き、そのころの放送大学の試験会場は都立大学だった、試験を受けたところ、まっ…
鶴見の商店街の外れで、年末福引きに行った夫を待っている。 なにしろ11万円分もの福引き券である。 ガラガラを回すのに時間がかかっっている。 商店街にある古本屋さんの外にだしてあるオール100円コーナーを見ていると、アガサ・クリスティーの名探偵ポワ…
遠い昔の、小学校時代に中断した「にあんちゃん」をしまいまで読み、40年後のあとがきや、平成15年に佐賀に建てられたにあんちゃん像の記念に呼ばれた作者の安元未子さんの写真をじっくりと見る。 私は老眼鏡、しかも相当度の強いものをかけなければ活字…
美術館のおしゃれなカフェコーナーの奥のカウンターには女性客がふたりならんでいて、広い庭の見渡せる窓脇の白木のカウンターの上にランチョンマットがふたり分並んでいる。 ここ、私たちようかな、と言ってみるが、厨房は奥で声が届かない。 ここ座って大…
昨年から「京急散歩」と称して、友人のユアンと時々でかける。 最初は金沢文庫の称名寺であり、次に出かけたのは横須賀美術館であった。 「カスヤの森美術館」は、横須賀美術館を調べるうちにネット上に出現して、この私設の美術館には、ヨゼフ・ボイスの作…
月曜日の午後、新国立美術館へ行く。 今年二度目の新国立。 この建物がすき。 カフェテリアで、午前中の勉強を終えた娘と落ち合い、サンドイッチを食べる。 なかなか美味しい。 美味しいサンドイッチはめずらしい。 五年以上も前、代々木に鞍馬サンドという…
小学校の高学年、五年だったか六年だったか「にあんちゃん」の感想文を書いて、何かのコンクールに入選した、と、優等生のチャコちゃんが担任からほめられた。 チャコちゃんは、ほめられてもぐっとうつむいて嬉しそうな顔は見せず、何の表情も読み取れなかっ…
夏にフリーダ・カーロを観た時にチラシをもらってきた「山口小夜子」のドキュメントを観に行く。 のっけから高橋靖子さんというスタイリストが登場し、小夜子さんの思い出を語る。 彼女の文が好きで、装苑だったかに連載していたエッセイを切り抜いて集めて…
二周目に入ってふり返ってみると、一年目はずいぶんむりやりだったなあ、と思う。 ひとと同じことをするのが嫌な性格だが、あまり違ってしまえる勇気もない。 こんな着物すがたで外出ていいんだっけ、と疑わしい姿でえいっと出かけた。 帯締めが夏物で注意さ…
今年に入って、三度目の転び。 自転車に付けた新しい前かごの中のヨガマットがぐらぐらして、落っこちそうなので、掴もうと右手を伸ばすと、バランスが崩れた。 あ・ころぶ・・うまく転ぼう、とまたたくま頭の中で計算するが、まんま左に傾いてザッザッと、…
谷中へ行った前日の日曜日。 河川敷からの帰り道。 道路に落ちて死んでいるようにみえるハチにザックが鼻をくっつけようとしたので、 「いけない!」とリードを強く引いたとたん、 「キャイン」 と右後脚をひくひくさせぴょんぴょん跳ぶような仕草をみせる。 …
日暮里の駅ナカの本屋の入り口に背の高い女の子が立っている。 パリの彩子に似ている。 髪型も黒ずくめのフアッションも彩子とは違うのに、どこが似ているのか? はにかんだような、それでいて怒っているような、 自意識の強い、自分と周囲のへだたりをがっち…
雨の日、友人と吾妻橋を歩く予定を変更して、乃木坂駅構内から行ける国立新美術館へ行く。 友人は、十年以上前にパーキンソンの診断をもらったが、パーキンソンの薬を飲んでいないのにもかかわらず、症状が安定している。 それでも歩くスピードはわずかづつ…
近所の図書館で借りてきたが、とても二週間では読みきれない。 しかも、ところどころえんびつで記しやメモが書き込まれている。 思い切ってネットで調べたところ、良い状態のものが700円ほどで買えた。 中身は新品同様で、返却期限に悩まされることなくお得。
私は夏場失業状態なので、去年は夢中で着付けに励んだが、今年は暑すぎて着付講師の毒気に当たるパワーがない。 替わりに志賀直哉に励む。 白樺派の作家は武者小路実篤以外は中学生のころから読んでいる。 有島武郎の「一房のぶどう」は心静かに洗われるよう…
兎に角、カラッとしない、土手へ出ても小雨がふっている。 ザックは湿度によわい犬だ。 ピッキーは、どんなときもパワーが下がらない。
言い忘れたことがあるので、下に降りていくと夫と娘がならんでソファに座っている。 ふたりともメガネの奥の目が真っ赤で、通常の三分の一ほどの目の巾になっている。 「どうしたの、ふたりとも目があかいよ」 と言う。 ふたりで「うしおととら」という連載…
小雨のけむる日曜日の午後。 長靴をはいて、焦って稽古場に向かう。 こんな竹やぶがあったりする・・。 その日のメンツは? その日のテーマは? 行ってみなければわからない。 自分のうごきも、他人のうごきも奇妙に思えてくる。 まとまらない気分で終了。 や…
こころの通うともだち。 時間があっという間にすぎて、別れ際涙が出そうになった。 一緒に過ごしたコロンボの記憶が蘇ってきて、喪失感に襲われるしまつ、やれやれ。 東京駅大丸の最上階のラウンジでケーキセット。 彼女は紅茶、私はコーヒー。 大きなガラス…
いっきに急降下した気温にあたふたしながら、秋の気配濃厚でプチ鬱きぶん。 こういうときは、キモノ・セラピー。 娘の小さいころのガーゼ地のブラウスをほどいて作った半襟。 ウールのキモノはだれのものかわからない・・。 帯は惚れ込んでやっと手にしたリ…
・・長文書いても書いてもきえてしまう・・。 兎に角、盆休み三日目に夫が腰をねじってしまい沈没。 最後の日曜日だけは、カナとケンタローくんがスリランカ・カレーを食べに来て、デザートにプリンを作ってみた。 ずうーっと失敗していたカラメルは、セミプ…
京子伯母は、祖母の末の妹である。 十人いた祖母のきょうだいのなかで、ひとり残り、最後の十年間アルツハイマーだった祖母とは違ってクリアーな頭と、はきはきした物言いの九十三歳。 瑣末な事柄へのこだわりと物事を掘り出す姿勢が、時として恐い。 なにげ…
映画「フリーダ・カーロの遺品」イメージ・フォーラム。遅れそうで急ぐ間に合ったけど、混んでいた。ほとんど女性。男子は夫とあとひとり。帰りに渋谷。人混みに疲れ、予定外のごはん。人気まばらな西武百貨店、昔の賑わいと華やかさはどこへ。八階のレスト…
浅草へすみだ郷土文化資料館
8月8日のテーマは「長崎のマリア像」 ビギナーから海外から来たプロの方までが、アヴェ・マリアの曲に合わせて一列で踊る。 ひとりひとりの静かな動きが、いかに多くを語っているか。 なにか気がつかないうちに、みまちがえたり、思い込んだりしているかもし…