言い忘れたことがあるので、下に降りていくと夫と娘がならんでソファに座っている。
ふたりともメガネの奥の目が真っ赤で、通常の三分の一ほどの目の巾になっている。
「どうしたの、ふたりとも目があかいよ」
と言う。
ふたりで「うしおととら」という連載アニメの録画を観て泣いているのだった。
「悲しいよ〜え〜〜ん」
と娘が涙を流している。
私はふたりより二三時間早く二階に上がって寝てしまうので、夜のニュースやスポーツはふたりで観ている。
めだったテーマがあると翌朝、聞かせてもらえる。
私は漫画はすっかりめんどくさくて読めなくなったし、アニメもよっぽどでないと観ないので、娘は勉強が忙しく夏休みもないストレスを父親とアニメをみながら解消しているのだ。
目下ふたりが夢中になっているのは「弱虫ペダル」。
オスネコのおむすびは前の猫以上に夫に対して強気。
だっこされながら、目は敵意に満ちている。
それでも愛を得たい夫は食パンの切れ端などを与えている。
哀しみ・・。