2018-01-01から1年間の記事一覧

いとこ

桜の花が、満開。 今年の桜の花はしろっぽくて、迫力に欠けるように感じる。 ものの味と同じで、こちらの感性がにぶくなっているのかもしれない。 2月25日に亡くなったいとこの魂が、まだこの世に漂っているような、 そんなふうに思う。 いとこが、このう…

日の名残り

カズオ・イシグロがノーベル賞を受賞してすぐに買った「忘れられた巨人」。 やっと読み始めたが、なかなか進めない。 「私を離さないで」に感動して二冊読んだが、「日の名残り」は読めずにいた。 ストーリーを知っているのは、映画を観たからだろうか。 き…

旅行中の食事 つづき

白木屋をめざし、アイフォンに示される地図を頼りに歩いて行くと、建物の駐車場や、建物と建物のあいだの細い路地などを通ることになり、50分ほどでようやくアラモアナ・センターへ着き、ジャパニーズ・フードコートまでは行きつけるが、どうもそこは旅チ…

旅行中の食事

ホノルルのホテルで、むかむかと具合がわるくなり、いやいや困ったことになったぞ、と横になってじっと目をつむっていた初日。 これから4日間・・どうしよう・・ やめておく、と云った機内食を、夫が 「ちょっとでもたべれば?」 と眠ろうしていた私を起こし…

おみくじ

ジャパニーズ・フードコートの奥に、おみくじ屋の占いがあり、「ラブ、ヘルシー、サクセス」と書いてある。いとこにはそのいずれも、なかったのかもしれない。 愛も、健康も、成功も。だから死んだのだ。 そんなふうに感じる自分は、どこかおかしい、きっと…

メール

昨日の朝、COUCOUからのラインを受け、お寿司を買って、COUCOUの滞在する部屋に出かけて行く。 昨年7月に出産した娘と日本に帰ってきている。 エアフラの仕事をしたので、航空券が手に入り、ついでに旅行中の友だちがいるので部屋が使える、とのことである…

ホノルルへ

満席の機内、ほぼ日本人。 小さな子ども連れ、新生児のような赤ちゃん連れの若い夫婦や家族総出のハワイ旅行。 飛行時間は6時間50分。 後ろの座席から、男女の話し声が切れ目なくつづく。 女性の話し方が、さりげなくて穏やか、すらすらと相手の話しに合…

ひな祭りイベント

保育園の春のイベントに行ってきた。 去年から、このイベントには着物ででかけている。 子どもたちが、きらびやかな着物で舞台の上に設えた段でおひなさまになるので、 あやかって私も和装で行く。 もう歳をとっているので、 「なにあのひと!目立ちたがりや…

地デジ

地デジで見るのは「YOUはなにしにニッポンへ」「探偵!ナイトスクープ」「家、ついて行ってイイですか?」と決まっている。 実は、爆笑問題の「ザ・フライデー」もこっそり。 「ザ・フライデー」も捨てたもんじゃない、三島由紀夫の特集などあり、知らなかった…

お別れ

今日から三連休だから、せんせいたちもゆっくり休んでいるだろう。 毎日忙しい保育の現場で、子どもたち相手に年間スケジュールをこなさなくてはならず、その間にも毎日クッキングだの、お誕生会だの、体操教室だの、リズム教室だの入ってくる。 この園に雇…

たかだか15分程度なのだが、満員電車に乗ってぎゅうぎゅう詰めにされる。 月に二、三回、朝の通勤ラッシュ時。 乗り込んで、すぐに発車することもあるが、満員のまま待たされることがある。 車内はへんに静かで、アイフォンに余念のないひとびと。 マスク…

電気屋さん

大雪の降ったころから、ブレーカーが落ちる。 ブレーカーが落ちる時の、ばんという音と共にまっくらになる衝撃。 おかしいな、と夫に言っても、はじめのうちは気にとめない。 何回めかに文句っぽく、何度も言ってるじゃん、と強く言うと、やっと腰をあげてブ…

シューベルト 

数ヶ月ぶりで、まったく現場の仕事がない一週間。 朝から予報以上に雪が降っていて寒い。 雪が止んだらびしゃびしゃ雨が降っている。 こんな天気で、分倍河原ー高幡不動ーと出かけなくて済むのはラッキー。 声楽の先生に、サービスでシューベルトを見てもら…

アグラーヤ

18歳の手紙の送り主の名が「アグラーヤ」となっている。 「白痴」の主人公ムイシュキン公爵をたぶらかすいやな女性アグラーヤに因んだ私たちの共通の名前である。 友の敬愛してやまない同居する従姉妹、彼女は事あるごとこの従姉妹に教えを乞い、従姉妹の…

失われた道玄坂「ライオン」にて、失われた友より

1971年10月1日・・18歳の手紙。 いま午後4時30分ころ。 あたしは、BYGのまさに"となり"のLionっていう喫茶店に来て、あなたの先生みたいにあなたに手紙を書いています。 あたしの目の前の壁にはベートーベンの絵がかかっていて、それのかかって…

漫画

ひさしぶりに漫画をおもしろい!と思った。 ブレイク・スルーという番組で、ギランバレー症候群の女性が描いた漫画がブレイクしている、という。 はじまりで、列に並んだファンにサインする著者の画像が流れる。 ファンのひとりが、 もし自分だったら、こんな…

「夜」 by アリス・マンロー

アリス・マンローの短編に「Night・・夜」というのがある。 「これは最初で最後の自伝ともいうべき短編だが、まったく創作の部分がないかといえば、そうもいえない」というまどろっこしい前書きがある。 本人のいうことはたいていあてにならないので、私はま…

通報

平和な昼下がり、犬と散歩していると、公園の入り口から男の子たちの声が聞こえてくる。 いやなかんじの声である。 周りに向かって、自分たちの力を示そうとするかのような、あるいは仲間同士牽制し合うような。 保育現場で、四歳の男子に手を焼いている。 …

ひどい正月

正月はきらいだ。 大晦日のどんよりした寒さといったらなく、外に出たものの犬がガタガタ震えている。 途中で引き返したが、寒さのダメージが消えず身体が重い。 大掃除もせず、おせちも作らず、お餅もない正月。 テレビはことさらにわざとらしく、騒々しく…