お別れ

今日から三連休だから、せんせいたちもゆっくり休んでいるだろう。

毎日忙しい保育の現場で、子どもたち相手に年間スケジュールをこなさなくてはならず、その間にも毎日クッキングだの、お誕生会だの、体操教室だの、リズム教室だの入ってくる。

 

この園に雇ってもらえるようになったとき、私はほぼ素人で(実は・)、実際にやってみてください、とテストのようなことをさせられたとき、力づくでやったムーブメントは、こちらにものすごいような緊張があったので、うまく子どもたちが乗ってくれた。

サポートに入ってくれたせんせいが、たまたまやさしいひとで、意地悪なひとだったら「なにこのひと、経験あるの?」と思ったに違いないが、せんせいがやさしいと、子どもたちは寛容になる。

あとから「助かったぁ」とよく思った。

時間がきて、これで終わりですと言うと、

「やだあー」

「もっとやりたいー」

「ひとばんじゅうやりたいー」

などと言う子どもたちの声が私を励ました。

 

ところが、実際に雇われてからは、いろんな場面でボロが出て、そもそもムーブメントの導入をめんどうくさい、と思っていたせんせいたちから反省会で吊るし上げのようなことを言われ、どん底に落ちこともある。

父が、昏睡状態で入院していたときで、あのときは昏睡状態の父の手をしばらく握り、傍に座って気持ちを落ち着けたこともあった。

 

始めた年の夏は、秋からはやめよう、と思った。

紹介してくれたひとにきちんと説明すればやめたっていい、と夫に言われて、逆にもうすこし頑張る気になった。

秋からは、失敗が減ってきて、子どもたちをまとめて楽しむ方向に持っていくことが少しできるようになった。

こちらに力がつくと、せんせいたちの対応も変わってきて、いまや園に入る前に胸がどきどきすることも、大きく深呼吸して作り声を出すことも、気がつくとしなくなったている。

 

園を後にすると、いつもまだせんせいたちは働いているんだろうなあ、とか私が疲労困憊して昼寝するために枕に顔をつけると、ああ、まだせんせいは子どもたちと一緒なんだなぁ、と思う。

薄給で(おそらく)、長時間労働で、責任のある保育の仕事をしているせんせいたちに申し訳ないような気持ちになる。

 

だから金曜日に最後の授業をして、お花をもらってお別れして、今日から三連休でせんせいたちが、ゆっくり休んでいると思うとほっとする。

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