新幹線ひかりで名古屋。
名古屋には美味しいものがたくさんある、と聞いている。
日帰りなので、新幹線のなかで食べたいものとお土産に買って帰るものをあらかじめ決めておいた。
祖父が三重の出身だったので'おくに'に帰るときは、名古屋から近鉄に乗ったものだ。
記憶にあるのは赤福だけで、ただただ甘いのである。
あと伊賀せんべい、石のように固くて青のりのついたせんべい。
味はうすらあまい。
午前10時には名古屋駅に降り立った。
デパ地下は開店早々にも拘らずたいそうな人出。
たっぷりめに手羽先を買って、味噌煮込みうどんを味わいに行くことに。
11時過ぎばかりの店は客でにぎわっていてる。
私は鶏肉と卵の煮込みうどん。
夫は、名古屋城の天守閣をイメージ(?)した海老天が二本突き刺してある味噌煮込みうどん。
赤味噌はだいすきである。
アルデンテのうどんも好み。
熱々のものを食べおわると、いつも舌をやけどしてひりひりする。
どうして、ものを食べるときって慌てるのだろう?
名古屋城のうっそうとした森。
そろいのくろっぽい着物を着て、化粧をした若い男女がお堀端にかたまっている。
お祭りのようだ。中部地方の木々のみどり。
「表現の不自由展」の会場まで歩いていくことにする。
30分ほどで着くはずであるが、雨の予報だったのが、太陽が出てきて熱射がたまらない。
入り込んだ道路は掃除がされてなく、うすぐらい風俗関係のビルが並ぶ。
やっと抜けると、緑道に出て、さきほどの着物を着たひとたちがダンスをしている。
迫力のあるダイナミックな動きである。
昔は、こういう動きがなかなか出せなかった。
なぜだろう、と思ったものだ。
けっこう激しいモダンダンスも、ちゃんと動いていない、というように見えた。
今は違う、みんなのびのびと手足を中に突き出して、全身で踊っている。
会場に近づくと、警察官なのか自警団なのか数人でガードしている。
ものものしい。
大きな声でマイクで話している内容はよく理解できない。
日本が、日本が、というのが聞こえてくる。
会場のはずの建物についても入り口がわからず、地味そうに立っているおじさんに聞くと地下へ行ってほしいと言われる。
地下へ行っても、《コロナワクチン接種会場》という看板以外、なにも出てない。
ワクチン接種と、あまり区別のつかない受付台で、名前を言うが、変更届を出しておいたはずの名前の変更がされていない。
東京から新幹線に乗って来たのに・・。
ちょっともたもたしたが「まあいいか」という感じの対応でクリアーしてエレベーターに乗り込む。
会場に着くと厳重な荷物チエックが待っていた。