土曜日の東海道線車内。
ボックス席の窓側に向かい合って座る女性の横に席を取った。
なにしろ寒い。
ホームで電車を待っているあいだに冷え切ってしまった。
ふつうはボックス席に人がいる場合は座らないが、そこが暖かそうである。
ひとのぬくもりで暖をとるしかない。
私が座ると、さっと前に若い女のひとが座った。
電車のなかの会話の耳をそばだてることがある。
一度、中学生がカバンを下において座る登校中の電車のなかで、一番からだが小さな子が、うち毎日永谷園の御茶漬海苔、毎日お茶漬けだよ、365日ずっとそればっか、一回かあちゃんに朝ごはん、ちがうもの喰いたいって言ったらキレられてさ、
などと言っているのがおかしかったし、
試験中の女子が、きょうおでんなんだよ、おでんっておかずにならないじゃん、と。
しかも、ひるのおでんって味しみてないしぃ、など。
・・そういえばおでんはおかずにならないかも、以来おでんをするたびに彼女たちの会話を思い出す。
食べ物の話しが多い。
今日も保育園の卒園式で、おかあさんへのお手紙に一番多かったのは、
いつもごはんをつくってありがとう、だった。
おいしいごはんをつくってありがとう、というのもあった。
ママもたまにはやすんでね、などというのもあった。
東海道線の女性ふたりの会話。
どうやらこれからふたりで静岡に行くらしいのだ。
ママ友とも思ったが、今度どこそこのギャラリー行ってみようか、アーティストで、などと言っている。
私の前のひとが、向かい合って座る、私のとなりのひとに、月一に行くキャンプの会の話しをしていてをしていて、それに誘っている。
「キャンプっていいよね、今度行く?」
「行きたい!ぜひぜひ、誘って誘って!」
・・へぇわたしはキャンプなんてだいきらいだ。
「料理上手なおじさんがいて、すごーくおいしいの楽しみで、バーベキューもいいよね」
・・バーベキューきらい〜なにを食べても食べた気がしない。
話し手が前のひとから隣のひとにかわって、もっぱらテレビの話し。
ふたりとも観ている番組が同じらしく、時間帯が一緒ということか。
ミッツ・マングローブの名前が大船観音を通るときに出てきた。
バラエティやドラマの説明をしている。
このふたり、ママ友?アート仲間?
あんまり親しい間がらではないようにみえた。